水鏡 白い波の底へそっと沈めたなら叶わぬ恋にさえ溺れることもない 息をひそめて眠りのなかへ私 遠くで跡切れてしまう ああ 水面にうつるふたりの 大切な記憶(かけら)もう 取り残されて空に堕ちた 涙 どれほど身を投げてずっと生きてるから誰かの腕にまで流れ着いてしまう この世の果てに歩き疲れて私 どうして捜してしまう ひとり 静寂影をなぞり 光るああ 水面にうつるふたりの 懐かしい姿もう 会いたいだけと永久に還る 涙